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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

6月の読書メーターまとめ 

6月とは思えない猛暑が続いていましたね。
なんか暑すぎてすでに8月くらいの感覚でいたみたいで、7月になったと言われても、あれ、まだ7月にもなってなかったんだな、と不思議な気持ちになりました。
昨日までのぎらぎらした夏の日差しから一転、今日はしっかり雨の一日。
台風も気になりますね。
なんなのでしょうこの極端な空模様。

そんな感じで先月分の読書メーターまとめを追記より。

ブログに書いていない作品で特に良かったもの
小説  おいしいベランダ。 
まんが  流血女神伝 モブ子の恋

おいしいベランダの番外編は愛と美味しいもので満ちあふれていて、読んでいてとても幸せでした。
まもりと葉二さんの新婚夫婦は予想以上にラブラブでなによりです。
湊ちゃんとユウキくんのお話が読めたのも嬉しかったです。
流血女神伝、サラが出てきた。この頃は色々なことがまだ平和で、みんな若くて未来は明るかったな。
作品の重厚な部分もしっかり描かれているよきコミカライズなので、長く続いてほしいです。
モブ子の恋の金沢旅行が素敵でうらやましいよ。誠実で丁寧なふたりのあり方が良い。

やっぱりというか積み本の山はますます高くなり、どうしたものかという感じですね。
土日は平日に受けた心身のダメージを癒すだけで終わってしまう。(ほぼ寝ている)
夏は少し長く休めそうなので、まったり読書したいなあ。どうなるかなぁ。


この一週間くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった皆さま方、どうもありがとうございました♪


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カテゴリ: 読書メーターまとめ(月別)

『転生令嬢と数奇な人生を 1~3』かみはら 




日本人として生きてきた記憶を持ち、異世界の中級貴族令嬢として転生したカレン。
平凡だが家族に囲まれ平和な日々は、ある日母親の浮気発覚により壊れてしまう。
以降家を出て平民として暮らしてきたカレンだったが、突然実家から呼び出され、ふたりの婚約者候補を紹介される——。
平和に自由に生きていきたいカレンの、波瀾万丈の人生、幕開け。


『転生令嬢と数奇な人生を』シリーズ。
小説家になろうさんの長編シリーズで、書籍版では最近三巻目がちょうど出たタイミング。
流行りの?異世界転生ものです。

結構前からネットで見かけるたびに気になっていた作品でした。イラストが可愛くてきれいで。
Web版のほんのさわりまで読んでみて、しばらくそのままだったのですが。
書籍版1巻目を入手して、分厚さと文字の細かさ、物語のボリューミーさに恐れをなしつつ読み進めていく内に、じわりじわりと面白みが増してゆき、一巻読み終えたころにはすっかりはまってしまいました。ファンが一人誕生。
一冊分読むのにめちゃくちゃ時間がかかるんですけれど、全然気にならない面白さ。
カレンの一人称と文章にやや癖があるのですが、いったんはまるとそれも味わい深くてかえってはまりこんじゃいます。
基本ほのぼの/殺伐シリアスモードの落差の激しさも!!!

実は最新巻の三巻目、一冊の本を十日間ぐらいかけて、じわじわ少しずつずっと読んでいました。
面白くてずっと物語の中に浸っていたいし、続きが気になって気になる一方で、ラストの突き落とし展開の予感がうっすら感じ取れる分読み進めるのが恐ろしい、の葛藤めいた感情がずっとぐるぐるし、う~んこういうのも読書の醍醐味ですよねえ。

前世の記憶持ちでさばけた性格だけど、好奇心旺盛な自由人(でありたい)、ヒロインのカレン。
確かに使命もチート能力も何も持っていないけれど、心の強さといざというときの決断力と愛情深さは、誇って良いと思います。
読み進めていく内に、好きなように生きているように見える彼女の不器用な部分が透けて見えてきて、そこがたまらなく愛おしい。
読み進めれば読み進めるほど味が出るヒロイン。
彼女を貶す人も多いけれど彼女を愛する人もまた多いのは、彼女自身が周囲を愛し大切にしている娘だからだと思います。

カレンの人生は確かに序盤からハードモードの連続です。
貴族令嬢から平民になり、そこから姉の出世により身分回復……序盤部分だけでもすでに「数奇な人生」ですが、嫁いでからも平穏には程遠い。
人生の転換点ごとに身体と心を張って体当たりし、周囲の助けも得て必死に乗り越えてゆくカレン。
ときどきしんどくて辛くてやりきれないけれど、カレンの生きざまはとても格好いいです。

作品のカテゴリが「恋愛」、「れんあい……???」、と首をかしげたくなる淡白な恋愛モード(笑)。
婚約者候補を選んだ理由も、甘い感情とは程遠いものでしたし。でもこういう結婚生活も素敵よ。
……と思って読んでいたら、三巻目に入ってほんのり糖度が入ってきました。
これは、もしかして、もしかするのかしら???(現時点では全く読めない)ときめき大好物なので楽しみです。
恋愛は淡白でも、そこかしこに描かれる家族愛のあたたかさはとても良いです。
キルステンのきょうだいたちもコンラートのおうちも仲の良さにほっこりしてしまいます。(家族のすれ違いと諍いも丁寧に描かれていてそれも良い)


書籍一巻目からネタばれも少しまじえつつ簡単に感想を。

『辺境の花嫁』
もうこの時点で、一巻目の表紙イラスト&登場人物達を眺めているだけで、こみ上げてくるものがあります。ううう。
学生のカレンとおさげのエルネスタの挿絵も可愛らしくて心和む。
カレンの婚約者候補ふたり、ぱっと見全然違うけれど、でも結局のところふたりともカレンと相性とても良かった。
特にライナルト氏の方は、カレンがいったんこういう選択をしたからこそ、心が通い合い縁がつながったように思います。

コンラート領ののんびりとしていてでも大人達は内に影を抱えていて、とにかくこの空気がとても居心地よいなあ。
はじめつっかかってきたけどすぐに態度を軟化させるスウェン微笑ましい。ニコも愛すべき良い子。うーん可愛い。
何人もの師匠から色々なことを学び後々の糧にしていくカレンちゃんでした。
カミル氏もエマさんもヘンリック夫人も過去の辛い経験を抱えていて、そのうえで尊敬すべき人格者。上手く言えない(ネタばれも考慮すると余計に言えない)

キルステンのきょうだいたち(+アヒム)も、仲良しで心和む。
ゲルダ姉さんの危機をカレンとアルノー達で回避できて本当に良かった。なんなのこの殿下は……。
華やかな薔薇のようなゲルダ姉さんも、穏やかで良い人で常に胃を痛めていそうなアルノー兄さんも、兄さんの支え兼友人アヒムも、みんな好きです。末っ子エミールも。
しかし気になるのは巻末番外編での、母のアンナさん視点。
浮気で家庭を崩壊させるようなひとには正直思えない……というか、そうせざるを得なかった事情があったのでは?と、私は思ってしまいました。
そもそも浮気でできた子のことだけ記憶から抜け落ちるってなんだか不自然な気がするんですよね……気のせいなだけかなあ。

ライナルトの部下のニーカさんとエレナさんの格好良さに惚れ込んだ一巻。


『落城と決意』




一巻ラストからの突き落とし展開が辛すぎる。
ぎりぎりの悲劇的状況下で、いくつものことを身を張って必死に守り抜いたカレンは、本当に格好良くて素敵で心が震えました。
誰が何と言おうと立派なコンラート伯夫人です。
ヘンリック夫人とウェイトリーさんの物語がちょっと気になる、ままになってしまったなあ……(涙)。
でもウェイトリーさんとヴェンデル、良かったよおお……!!!
そしてカレンの豪胆な決意。私もまさかそういくとは思っていませんでした。
悪女に見えても仕方がないし、特にゲルダ姉さんとの間に心の溝ができてしまったのは、辛くてやりきれないけれど。
コンラート→ファルクラムの終焉は、悪夢の早回しを見ているかのような心地に。
ファルクラムの王族達、特に殿下ふたりは正直欠点の方が目立ってるような感じでしたが、でも悪人とは決して言い切れなかった。あっけなさが本当に悪夢みたい。
ライナルトは、怖いお人ですね。片鱗が徐々に出てきました。

そしてコンラート一行は帝国にお引越し。
ジェフとチェルシーの兄妹好きだなあ。
そしてマリーがしたたかな派手目の美女に変貌を遂げていて、なんか、なんというか、良かった。
やっぱりニーカさんとエレナさんが好きです。モーリッツさんも全くぶれないので悪い人ではないんですよね。

ゲルダ姉さんの番外編がひたすら切なくてやりきれなかったです。
はじめは命令でしかなかった側室入り、いつしか真の愛情を育み子も授かったというのに、この展開ではね……。
ゲルダの立場ではカレンに複雑な思いを抱かざるを得ないのはよーく分かるだけに、せつないよう。
いや、私はどうしてもカレンの味方として読んでいるので、そもそもゲルダのために殿下との密通騒動をなんとか収めた恩とか色々あったでしょう!とか、思っちゃうんですよね……姉さんごめん。

キルステン家といえば父さんとカレンのやりとりの場面も印象的でした。
ここにきてまさかの父親候補、ふたり??
キルステンの父上が一層好きになりました。それでもアンナさんを愛している父上が切ない。(でも本当にアンナさんの本心や事情は謎。何がしかありそうでしかたがない~)


『栄光の代償』




転生者仲間で親友である天才魔法使い・エルネスタとの友情巻。
エルネスタは前世が過酷で夫にひどい扱いを受けていて最後は絞め殺されたって、もう目を覆うような辛さ。
現代の知識を持ち込むことについて、エルとカレンの対立の場面は、かなり緊迫感がありどきどきしました。カレンも勇気があるなあ。
コンラートの件で武器のことも避けて通れない、それでも最後には、友自身のことを真摯に案じるカレン。
お互い突いてほしくないところを突きあって、それでもやっぱりお互いが大事な親友であるカレンとエルのふたりが、ああ、やっぱり良いものです。エルのご両親作のお弁当おいしそう。

隣家のからくりは最高にホラーでした。カレンが助かって本当に良かった。
ジェフが語る、彼とチェルシーの過去の打ち明け話が辛かったです。彼らがコンラートに受け入れられて居場所を見つけられて、本当に良かった。個人的にチェルシーの今後の人生がこの世界においてどう描かれるのかかなり気になる。
カレンの祖父?と父?とのご対面。ここで懐かしのお茶が出てくるとは。この世界どうなっているんだろう。
ベルトランド氏は、変に甘くなく情もなく淡々としている分、かえって好感度がありました。お祖父ちゃんもカレンに見せる態度は穏やか。
反面リューベック氏の謎の好意は色々怖い。

皇帝陛下の舞踏会の準備は慌ただしく大変そうでしたが活気があった。カレン本当にダンス苦手なのに頑張った……。私も頑張っても頑張っても体育の授業を最後まで克服できなかったので、気持ちはよくわかる。
しかしその皇帝陛下は最高に怖いお人でした。やばい。
カレンが生きて帰れて良かった……。あのお嬢さんも。
ライナルトは、カレンのピンチに関しては本当にぎりぎりのところで外しませんよね、いつも。

本当は皇帝陛下とそう変わらない苛烈なお人かもしれないライナルトですが(悲惨な生い立ちを考えると無理ないかな)、カレンにだけは、なぜか優しくありたいと思っていて、カレンも薄々ライナルトの本性を分かりつつも好意を抱いていて、このふたりの関係が、なんか、好きだなあと思います。
好意を自覚したのに最初から完全に諦めているカレンが切ないですね。でも悲壮感はないのですが。確かにこれはかえって周囲がお節介したくなるかも。
このふたりこれからどうこうなったりするんでしょうかね?気になりすぎる~!!!
リリーさんは、どうなんでしょうね。この組み合わせにもあまり甘い雰囲気を感じない……。

そういえば皇女殿下とアルノー兄さんの関係にもびっくりしてしまいました。そういうことになっていたのか!
皇女殿下、印象がなんだかまるくなったような気がしましたね、そういえば。
アヒムも頼もしくていいひとなので、カレン、アヒムでは……駄目なのかなあやっぱり。

ヴェンデルとクロの再会、滅茶苦茶良かったです。裏のカレン達の頑張りも素敵。
猫と犬が増えて、カレン達もですが私も読んでいて心癒されました。

マルティナ、何とか頑張って望む道を進んでほしいなあ。カレン達の支えになってほしい。

シスの番外編、彼はかつてはまあまあ普通の人間だったんだな。というかシスティーナひどいな確かにこれは……。
そういえばエルの想い人が実は、というのにもびっくりしましたよ私は。
親友の打ち明け話に恋バナはやはり良いものです。
エレナさんもニーカさんも本当はカレンが思っているより物騒な人達なんだろうな。でも好き。
というかエレナさんとへリングさん夫婦のお話を読みたかったです。特典……いつか読めますように。
エレナさんのイラストがついて嬉しかったです。ニーカさんもいつか!

続き、書籍で追ってゆくかWeb版に手を出してしまおうか、悩ましいのですよね。
現状すべての読書がまるで進んでいないので、四巻目まではやはり書籍版かなあ。うーんでも気になりすぎて読みだしちゃうかもしれません。

あとイラストが可愛らしい&美しい&格好良すぎて、最高ですね。
殿下とカレンのツーショットはどれだけでもときめいてしまいます。
三巻ラストの笑顔のエル……(涙)。


この二週間?三週間?の間にそれぞれの記事に拍手くださった皆さま、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: かみはら 

5月の読書メーターまとめ 

6月になりました。
暑い職場と冷房でひえひえの通勤電車の差が辛い……。
お気に入りの花模様の七分袖ブラウスとふわっとしたスカートでなんとか気分をあげる。

さて先月の読書メーターまとめを追記より。

ブログに書いていない作品で特に良かったもの
小説  王と后 ぶたぶたのお引っ越し
まんが  本好きの下剋上色々 流血女神伝

気持ちも身体も疲れが出てお休みはほぼ寝ていたのもあり、読書進まず。
深山くのえさんの少女小説とぶたぶたさんのシリーズは心が疲れているときでもすーっと読めて癒されて、やっぱり大好きだなあと改めて思いました。
王と后は続きもありそうな展開ね?楽しみにしています。
本好きのコミカライズ、第二部だけ途中でとまっていたのようやく追い付きました。
この時期のマインは家族やベンノさん達との距離感が明らかに近くて、改めていとおしく切なくなってしまいました。初期からダームエルいい人で和む。
第四部はシュミル大好きリーゼレータが可愛らしすぎますね。
流血女神伝コミカライズ素敵です。グラーシカ凛々しくて格好よくて最高。
エドのしごきに耐えてここまで王子の身代わりをつとめあげられているカリエもすごすぎません?

最近あまりに疲れるのでぼんやりしている時間をなるべく切り上げ早めにお布団に入って寝るようにしていて、それなりに効果がある気がするのですが、繰り返し、本当に本読めないですね。
お料理やお菓子の本は、それなりに読んでいるのですけれど。
こっちの方も何か記録つけていこうかしら?


ここ一週間?くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった皆さま方、どうもありがとうございました♪


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カテゴリ: 読書メーターまとめ(月別)

私的本の情報メモ(6月) 

気温が高い日が増えてきましたね。
まだ一応5月のはずなのですが。
皆さま体調の方は大丈夫でしょうか。
私は今二度寝と三度寝の間くらいをたゆたっています。ゆらゆら。
ぼんやりと引きこもり休日を満喫しております。

さて来月の新刊購入予定メモをざっくりと。

『転生令嬢と数奇な人生を3 栄光の代償』かみはら 6月9日

『おいしいベランダ。 亜潟家のアラカルト』竹岡葉月 6月15日

『犬飼いちゃんと猫飼い先生 ごしゅじんたちは両片想い』竹岡葉月 6月15日

『わたしと隣の和菓子さま』仲町鹿乃子 6月15日

『あんの信じるもの お勝手のあん』柴田よしき 6月15日

『親王殿下のパティシエール(6) 大英帝国の全権大使』篠原悠希 6月15日

『ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人 6』小湊悠貴 6月17日

『シェアハウス金平糖北千住 2』ふじもとゆうき 6月20日

『魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ 8』天岸久弥 6月24日

『Unnamed Memory 3』(コミックス)古宮九時 6月


何気にたくさん……!!!
『転生令嬢と数奇な人生を』書籍版の続きが気になりすぎているので楽しみです!今度はエルの出番が増えるのかな?今度こそ特典付きを予約しました。
『おいしいベランダ』の番外編集待っていました。やっぱり主役ふたりの新婚旅行が一番気になる。あと湊ちゃんのところも。
『お勝手のあん』コンスタントに新刊が出るので嬉しいです。おやすちゃんのがんばりを読んでいると私も元気になれるので楽しみです。
『和菓子さま 剣士さま』私がブログを書き始めた初期にはまったオンライン小説なのですが、書籍化すっごくうれしいですおめでとうございます!!なにやらときめき成分が増えるような感じでわくわく。
ダリヤさんの背縫いのエピソードも好きなのですよねえ。

色々語っている現状、今月の新刊購入しているぶんほとんど積んでいる有り様でございます。
寝るのと読書を同時にやるのは難しいですねやっぱり。


ここ一二週間くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった皆さま方、どうもありがとうございました♪


カテゴリ: 新刊メモ(月別)

『後宮の烏 7』白川 紺子 




界島へ渡るすべを海底火山の噴火によって閉ざされた寿雪一行。
烏と白鼇との古から続く戦いに巻き込まれる寿雪達。狙われる烏の半身。
ついに戦いに決着のときが——。

『後宮の烏』第七弾。完結巻になりました。
お気に入りのシリーズがまたひとつ完結して、読めて幸せな一方、ほんのり寂しい気持ちもあります。

表紙イラストの寿雪が、清々しい美しさで満ちていて、惹きつけられてしまいます。
今までのような夜の影をまとっていない寿雪の姿は、新鮮な感じです。
衣装もお妃様っぽくないですし。
豪華な衣装や装飾品などをすべてそぎ落としても、寿雪はとても美しい女性なのだなと、改めて思いました。
たたずまいが美しいです。
つんとほんのり上向いた目じりと口元が。

なんというか、終わってしまったなあ……。
頁を閉じて、読み終えて、未だにずうっと物語の世界の余韻に浸っています。
あの結末を未だに消化し切れていない感じがします。
春の道端に咲く野の花を見ては、寿雪のことを思い出して、彼女のこの先をふっと考え込んでしまったり。

白川先生の物語の世界って、私自身が生きているこの現実世界と、ごく自然になだらかにつながりあっている感覚がするのですよね。
古代中国を思わせる異世界ファンタジーであることは明らかなのですが、不思議な感じ。
こういう懐かしく慕わしいような感覚が恋しくて、先生の物語をずっと追い求めているような気もします。

最終巻は、寿雪一行と烏と梟など神様的存在、あと沙那賣の兄弟たちに特にスポットが当たった群像劇のような感じがしました。
寿雪と高峻自身の出番はやや控えめ。
皆身を切るように辛い思いを抱えて、それでも誰かを想いやって、頑張って生きているんだな。
若者を厳しくも温かく優しく見守る大人達が何人も出てきて、彼らの優しさの描写に触れるたびに胸がきゅっとしました。


さてネタばれ混じりの感想を少々。


烏と梟はもう寿雪と高峻にとっては特別な存在ではなくなっているというか、便利な片割れ扱いでなんだかちょっと和みました。
あんなに怖い存在だったのに、烏と梟がふたりそろってみるとごく当たり前の親しい兄妹みたいなんですよね。
出立の場面でいつになく言葉をたくさんしゃべった桂子さんが印象的でした。蓮の実餡の包子美味しそう。

之季の妹が飛んでゆけた場面が、特に心にせまりました。泣けてしまった。
このシリーズはやはり幸薄かった死者の女性が救われ空に帰ってゆく描写が本当に美しくて切なくて、好きだなあと改めて思いました。
あとは、破滅の未来しか待っていない謀にずっとしがみついていた亘に、慈恵さんの気持ちがようやく伝わった場面も。
慈恵さん独特の凄みを称えていて少々の攻撃ではびくともしない感じで、頼もしすぎる北国のおじさま。
彼が亘の父親となってくれるのであれば、もう大丈夫そうだな。
山の人々の暮らしの描写もなかなか興味深かったです。
単なる田舎者というわけではなく前王朝からのつながりもけして途切れているわけではなく。ただ平地にすまう人々とは価値観が違うのも確か。

亘も、晨も、どちらもそれぞれ辛い立場ですよねえ。
晨にお茶と食べ物を振舞っている寿雪の場面、確かに私も好き。

烏と白鼇の戦いは、今回に関しては島が沈まずに済んで、本当に良かったなと。とりあえずは。
白鼇は確かに小賢しくて小憎らしいですね。アユラとイシハを利用しているのが嫌な感じ~!!!
まあでも、思っていたより神様たちの間だけで戦いが終わってくれた感じがして、良かったなと。
終わってみれば烏の声は寿雪にはもう聞こえなくなってきて、不思議の力もなくなっていて、それはそれでほんのり寂しいなあと、ちょっと思ったりもしました。
寿雪が烏妃の術を使う場面の描写の美しさが、私はたまらなく好きだったんだな、と改めて実感もしました。
こういう役割は一部、アユラが継ぐのかな。継ぐとしても彼女は歴代烏妃よりずっと、自由な身の上になるのでしょう。

あと印象的だったのは、朝陽さまの最期の場面。
たったひとり愛した亡き妹の思い出の場所で、妹が愛した花の跡を焼いて共に滅びた彼の姿。
彼にとって大事だったのは、最後まで、妹たったひとりだったんだな。そして彼女と自分とのたったひとりの子。
ある意味究極の愛情を見せつけられた気分。
やりきれなくて、それでもなんだか美しいとも思ってしまった。

すべてが終わったのちの、沙那賣の兄弟の同窓会?の場面、良かったです。
ここのきょうだいは、最後までやっぱりなんだかんだ味があってお互いの欠点をゆるく補い合っているような関係が好き。
亘も亮も、今は穏やかで幸せな結婚生活を営んでいてふたりとも自覚なしに奥さんにめろめろで、とっても和みました。どちらの奥さんも結構したたかで強いですね?旦那さんふたりともそういう奥さんが愛おしくてたまらないようなのが良い。
晩霞は彼女なりに割り切った穏やかな日常を営んでいるようだし、晨にも最後に気持ちの救いがあって、良かった。
父の呪いって本当にその通りだよ。父の偏った愛情を受け続けてきた長兄を憎むことなく気遣い続けてきた弟にも涙。そういうところが好きなのです。

そして寿雪と高峻は、人生の最後まで、お互いの「半身」であり「友」であったのだなあ。
私は結構な少女小説読み人間なので、このふたりが男女として結ばれる結末にならなかったのが、正直に言うとちょっとだけ残念だな、と思わなくもなかったのですが。
でもその一方で、この物語は寿雪と高峻が結ばれるのがハッピーエンドだとは、結局どうしても思えなかったのも、確かなので。
高峻がすでに妃が何人もいる皇帝である以上は、どうあがいても無理。
高峻も寿雪もそれぞれの責任を投げ捨てて生きられる性格していないし。
むしろこのふたりにとっては、「妃」という結びつきよりも、「友」という結びつきの方が、ずっと深くて尊いものなんじゃないかな。
お互い優秀な人間なのにふたりの肝心な場面ではまるで言葉が出てこない、その不器用さが、たまらなく愛おしいです。

海商になる、という寿雪の選択は正直全く想定外でしたが、こういう道も良いですねえ。とあとになってじわじわ思いました。
花娘のお父さま、良い方ですしね。娘への愛情がうっすら彼女に伝わったのも、今回、良かったなと思いました。
温螢と淡海と九九は一緒っぽいのもなんだかほんのり嬉しいです。
身内のものを、というところで衛青が登場するのが心にくいです!
皆のおやつの時間が健在でなによりです。

他の島の物語がもしかしたら今後、読めるのでしょうか。
地図を改めてみると、海の面積が広い。確かにまるで違う文化のまるで違う物語が読めそうです。ワクワクします!!
そこで海商として寿雪一行が通りすがったりするんでしょうか。
楽しみがふくらみます。

烏や梟や、お妃様の名前に鳥の名がたくさんあるのが、何か神話伝承っぽさを醸し出していて、私は好きでした。
名前と言えば寿雪も花娘も響きが美しくてみんな好きです。
あと回廊星河とか世界観の用語もひとつひとつ美しくて、最後まで何気なくうっとりしていました。


そして高峻と寿雪の関係性について、色々思ったことを語ってみました。
長くなってしまったので、追記に収納することにします。
結局のところ言いたいのは、このふたりの関係性がときめきと愛おしさであふれていて最後までとても好きだったなあ、ということです。



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カテゴリ: オレンジ文庫

タグ: 白川紺子 

私的本の情報メモ(5月) 

連休は良いお天気の中引きこもってお布団にくるまれています。
ほしたてのお日さまの香りのする布団にもぐりこんでお昼寝するのは至福。

さて今更ですが5月の新刊購入予定メモ。

『赤髪の白雪姫25』あきづき空太 5月2日

『デジタル原始人☆川原泉』川原泉 5月2日

『ぶたぶたのお引っ越し』矢崎存美 5月12日

『魔法にかかった新学期5』ひかわきょうこ 5月20日

『ひかわきょうこ浪漫紀行』 5月20日

『モブ子の恋13』田村茜 5月20日

『ボクラノキセキ26』久米田夏緒 5月25日


まさかの川原泉先生のお名前が。
というかすでに発売されているし!
ひかわきょうこ先生の本も出るのですね。たのしみです!!
本当はもっと気になっている作品無数にあるのですが、4月までの新刊全然読めていない状況ですし、のんびり積み本消化をしてゆきたいです。
漫画を電子で買えばお布団の中でも読めますしねえ。(小説はまだできれば紙媒体でほしい派。この辺は作品によっても違いますね。未だに試行錯誤です)

実は自宅パソコンの調子も悪くなって、ますますブログ書きづらくなり困ったものです。
今はタブレットとiPhoneを併用して少しずつ一つの記事を書いている感じ。
慣れればもっとスムーズに……書けるのかしら。
うーん、パソコンさんは、そろそろ、寿命な気もするんですよね。
長い間ずっと一緒に頑張ってきましたからねえ。

さてそろそろ明日の仕事に備えて休みますか。


カテゴリ: 新刊メモ(月別)